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2021年1月15日 第636号

家賃保証会社の規制を!
全借連が国土交通省に要望書提出

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国交省に要望書を提出する細谷東借連会長と高橋千鶴子日本共産党衆院議員

 賃貸住宅の契約に当たって、連帯保証人がいるのに家賃債務保証会社との契約を強制させられ、保証会社と契約をしないと賃貸住宅を借りることができない。保証会社との契約に際し連帯保証人を要求される等の相談が組合に寄せられている。
 全国借地借家人組合連合会(全借連)では、保証会社の問題について寄せられた相談の実態や問題について、12月10日に国土交通省に要望書を提出した。国交省との懇談には、東借連の細谷会長、高橋事務局長、東借連の組合員、保証会社被害を訴える神奈川県の会社員や大手の不動産仲介会社の社員も参加した。
 国土交通省から住宅局安心居住推進課の田代課長補佐他が出席した。家賃債務保証業者との契約において連帯保証人を求めないこと。貸金業法と同等の取立行為の規制を設けること。国交省に登録していない保証業者の営業を禁じること等5項目の要望事項について、国交省は「家賃債務保証業者の登録制を設け3年が経過する。登録業者は75社にとどまり、現状は登録の周知に努めていきたい。要望事項についてはよく承知している。こうした事情をよく把握していきながら規定の変更等について検討していきたい」と回答した。
 細谷会長は「保証業者は国に登録しなくても家賃債務保証業の営業が自由にでき、悪質な業者が野放しになっている。任意の登録制ではなく、法律で規制すべきである」と訴えた。要請には、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員も同席した。


借地権譲渡で高額の承諾料借地非訟手続で対抗!
借地非訟手続は裁判所に承諾料の判断も仰ぐ
足立区

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足立区内の住宅地(本文と関係ない)

 区内で30坪を賃借していた葭葉さん(仮名)は独り身で、現在介護施設に入居中である。建物には誰も居住しなくなり、地代も支払えない状況になり、任意競売に掛け、弁護士さんの知り合いの不動産業者に買い受けられた。不動産業者は借地権の譲渡を受けたことになるが、地主の承諾を得ていないため借地権の取得を地主に対抗することができない。地主は高額の承諾料を主張したため、地主の承諾に代わる許可を裁判所に申立することになり、裁判所の判断は地主の承諾料の半分の額で決着したと不動産業者から聞かされた。地主は地元の寺で周辺には、40軒以上の借地人を抱えており、更新時に更新料一坪当たり八万円を一律請求している。
 元気な時の葭葉さんは周辺の借地人を集め地主に対抗する組織づくりに奔走してくれた。体調の悪化に伴い、施設に入居することになったが、何回か施設の方に出向き話を伺ったが、本人の願いは「家に戻りたい」との言葉が切ない。


新家主が追い出し行為組合と一緒に頑張る
中野区

 中野区に集合住宅の一室を賃借している市田さん(仮名)は新賃貸人より明渡し請求を受けている。
 条件は1カ月以内に明け渡すならば協力金を支払う、協力しなければ少額の立退料しか支払わないという無理難題だ。
 他にも複数世帯がまだ入居している。組合が新賃貸人に対し通知書を作成し、数回送ってもらったが同じ内容ですぐに返答してくるため交渉にならなかった。
 しかも郵送ではなく賃貸人である不動産会社の担当者が訪ねてきてインターホンをならし電話をしきりにかけてくるが、絶対に電話で話さず着信拒否し、メールはブロックすることを勧めている。
 また訪ねてきた場合、断っても帰らなければ警察に通報する。
 嫌がらせを受けたら常任弁護団に相談することを勧めた。