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2018年8月15日 第617号

2018年夏期研修会
(住宅セーフティネット第9回講座)
東京の住まいの貧困と住宅政策を考える
家賃負担重く、生活を圧迫
家賃補助など民間借家政策の確立を

東京の住まいの貧困と住宅政策を考える集会
東京の住まいの貧困と住宅政策を考える集会

 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を前に「東京の住まいの貧困と住宅政策を考える」と題した夏季研修会が住まい連など4団体の主催で7月28日の午後新宿区内で開催された。
 坂庭国晴日本住宅会議・関東会議事務局長が開会挨拶を行い、フリーライターの大江紀子氏の司会で進行された。
 講演は小田川華子氏(首都大学東京客員教授)より、「子供の貧困と住居」について東京都の子供の生活実態調査から見えてくる住宅問題について報告した。ひとり親世帯ほど賃貸住宅の居住率が高く、家賃負担率も高くなり生活を圧迫し、「衣類が買えない」、「食料が買えない」、「健康状態が悪い」など深刻な実態が具体的な指標を基に明らかにされた。

報告する東借連の細谷事務局長
報告する東借連の細谷事務局長

 続いて、3人の住宅運動団体の代表が報告。東借連の細谷事務局長が「50年を経て様変わりした借地借家問題と民間賃貸住宅制度の問題点」について、東京住宅運動連絡会の北村勝義事務局長が「後退を続ける東京の住宅政策をどう転換するか」、新建築家技術者集団の鎌田一夫常任幹事が「都有地をタダでディベロッパーに売り渡す都政の危機」以上がレジメに基づいて報告された。
 細谷事務局長は様変わりした借地借家問題では、最近の不動産業者による底地買い・ブラック地主問題、老朽借家に住み続ける借家人は耐震性を理由に明け渡しを求められても家賃が高く、とくに高齢者は入居拒否され転居できない実態を報告した。その他民間借家の不合理な慣行である礼金・更新料等の問題点を指摘し、狭い・設備劣悪・家賃が高い等の民間借家の問題の改善のために、民間借家政策や家賃政策の確立を強く訴えた。


管理会社から驚愕の通知
地代が今までの2.5倍に
値上げには応じない返金されれば供託に
世田谷区

 世田谷区用賀に住む村上さん(仮名)は、今まで地主の窓口になっていた不動産屋から新しい管理会社の不動産会社に変わった。
 6月に「20年間値上げをしていない。公租公課の負担が増えたので大幅な乖離が生じた」として地代を7月から2・5倍にするから口座に振り込むよう通知が届いた。びっくりした村上さんは同じような通知をもらった借地人と一緒に組合事務所に相談に来た。組合の相談では、地代の増減は双方の合意が原則で、一方的な値上げは認められないとして、現行の地代を振込むようにした。
 7月に入り、地主と管理会社連名で、「振込まれた地代は請求金額との差額が生じている。振込まれた金額は預かり金として、7月末までにその差額を振込まない場合は、返金します」との通知を受けた。組合と相談し、「貴殿の値上げの主張はその根拠となる資料の提示がされていないので判断のしようがない。値上げに応じられない。地代が返金された場合は供託します」との回答をした。村上さん「組合に入っていてよかった」と話した。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 9月12日(水)・13日(木)午前11時~午後5時まで4時半受付終了(昼食休憩午後1時~2時)、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。
 「西伊豆バス旅行」
 8月26日(日)・27日(月)西伊豆堂ヶ島温泉郷宇久須温泉。1泊2日。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
 9月1日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者は要予約。
 「借地借家問題市民セミナー」
 9月22日(土)午後1時30分から立川市女性総合センター5階第1学習室。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(6806)4393。
■大田借組「理事会」
 8月23日(木)午後6時30分から大田区消費生活センター。連絡・(3735)8481。
■「東借連夏季研修会」
 9月2日(日)午後1時30分から足立区生涯学習センター・学びピア21研修室1(北千住駅西口徒歩15分)。講師は西田穣弁護士。連絡・(3982)7277。