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2017年9月15日 第606号

親子で学ぶ借地の法律と相続
東借連2017年夏季研修会開催

講演する東借連常任弁護団の西田穣弁護士
講演する東借連常任弁護団の西田穣弁護士

知っておきたい借地の法律知識
トラブルが起きない相続対策とは

 東借連2017年夏季研修会は、9月2日午後1時30分から豊島区生活産業プラザの会議室で33名の参加で開催された。
 司会は斉藤勝理事が行い、はじめに佐藤冨美男会長が開会挨拶を行った。佐藤会長は「今年の3月の総会で東借連も創立50周年を迎えた。50年経つと組合員も高齢化し、次の世代に借地権をどう継承するか相続も大きな問題になってきた。今日は親子や夫婦で参加していただき、借地の法律や相続について法律の知識をしっかりと学習していただきたい」と訴えた。

借地権の期間
賃料・更新等

講演する田見高秀弁護士(右)
講演する田見高秀弁護士(右)

 講演では、東借連常任弁護団の西田穣弁護士より「借地借家で知っておきたいこと」とのテーマで相談事例をまじえながら借地権の期間、賃料(地代)、更新の手続きと更新料、借家権の期間・更新・賃料・原状回復問題等今年改正された民法の問題などについて分かりやすく解説した。
 とくに、賃料(地代)については地主の請求に応じないことは不利益に評価されることはない。話し合いがまとまらなくても、それまでの地代は必ず払い、支払いを拒否されたら必ず供託をすること。更新料については法律の規定も慣習もない、相場も「適正な」更新料という概念もない。あくまでも当事者の合意で支払い義務が発生することがあるので注意が必要との指摘があった。

借地権の相続対策のQ&A

 次に、田見高秀弁護士より「トラブルが起きない相続対策」について講演があった。田見弁護士は、(1)相続の基礎知識として、誰が何をどういう割合でどうやって相続するのか、(2)借地権の実際の相続対策について、借地権者である父が死亡した場合の遺産分割協議や遺言書の作成について、(3)空き家になった借地権の相続対策や処分方法等について具体的に説明した。その後、参加者と間で活発な質疑応答が行われた。最後に細谷事務局長より閉会のあいさつがあり、学習会を終了した。


明渡しと地代増額で地主が調停申立て
明渡しの理由が子供に住まわせる?

明渡し請求を拒否し
次回調停で地代相当額主張

 北区赤羽に住む南さん(仮名)は親の代から借地して住んでいた。
 父親が死亡し、借地権を母親と息子である南さんが相続した。相手の地主も親から子、そして孫に相続された。昨年の12月に更新拒絶の通知が送付された。正当な事由は地代が固定資産税、都市計画税とほとんど変わらないこと。地主の子供に住まわせるためで、借地人の必要性は低いという理由であった。同時に、地代の増額請求をしてきた。南さんは地代に増額請求については話し合いに応じるが立退きについては応じることができないと回答した。
 今年の4月に明渡しと地代の値上げ請求の調停を起こされた。調停では、地代の値上げと明渡し請求は矛盾し、明渡し請求を求めないことを前提に地代に値上げ請求については話し合いに応じるという立場でのぞんだ。代理人の弁護士は次回までに地主に聞いて回答すると述べ第1回の調停は終了。同時に、調停委員からいくら位の値上げならば応じる用意があるか回答するよう求められた。あくまで明渡し請求をするならば不調に終わらせることを確認し、都税事務所での固定資産税の資料を基におおむね2倍から2・5倍の回答を準備することにした。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 10月25日(水)・26日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
 10月7日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。
 「借地借家問題市民セミナー」
 10月21日(土)午後1時30分から八王子労政会館(京王八王子駅徒歩5分)。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(6806)4393。
■大田借組「バス旅行」
 10月29日(日)・30日(月)の1泊2日で新潟県津南温泉。連絡・(3735)8481。
■借地借家法全国連絡会
 「学習交流集会~公共住宅の家賃制度を考える」
 9月30日(土)午後1時30分からUR赤羽台団地12号棟・団地集会所(JR赤羽駅西口徒歩10分)。連絡・全借連(3352)0448。