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2015年6月15日 第579号

地上げ底地買い 被害者交流集会開催
地上げ屋の悪質な手口を解説

被害者交流集会で報告する種田弁護士
被害者交流集会で報告する種田弁護士

被害の実態の可視化を
6月14日にブラック地主・家主110番

 東借連主催による「地上げ・底地買い被害者交流集会」が5月24日午後1時30分から四ツ谷の主婦会館・プラザエフで開催された。
 集会では、東借連常任弁護団の種田和敏弁護士より、地上げ・底地買い被害者からの相談事例についてプロジェクターを使いながら報告された。
 地上げ屋の手口の特徴とし、「突然、自宅に訪問し、地主から底地を買ったが、もう貸すつもりはないから立退け、立ち退きたくないなら底地を買えと、怒鳴り込み口調で威圧的に言う」、「玄関先で近所に聞こえるように大声で怒号を浴びせる」など悪質な行為の特徴が指摘。借地人が「立ち退かない、底地を買わない」と言うと、激しい罵声を浴びせる場面が録音した音声で再生された。
 地上げ屋から脅された練馬区と埼玉県の2名の組合員から経過説明が詳しく報告され、警察に相談しても「民事問題なので当事者で話し合って」と全く動いてくれないなどの問題を訴えた。地上げ屋と対面した足立区借組の梅澤組合長は「借地人の人格を否定する発言で脅迫する」と訴えた。
 種田弁護士から裁判所に訪問禁止の仮処分を行うと、借地人への訪問が止むなどの対応が報告され、地上げ屋への対応等について質疑応答が行われた。最後に被害対策弁護団の事務局長の田見高広弁護士より被害の掘り起こしを行うため、「ブラック地主・家主110番」を6月14日に実施することなどが提起された。

110番を提起する田見弁護士
110番を提起する田見弁護士

更新料未払いで契約解除
底地で買った地主が不当な因縁

地代の銀行振込口座を閉鎖
地主の代理人に契約書等を提示

西山さんの借地のある西新井大師附近
西山さんの借地のある西新井大師附近

 西新井大師と言えば天長3年(826年)弘法大師によって建立と伝えられ庭園の牡丹が有名。この地で宅地18坪を賃借する西山さん(仮名)は平成4年に父親が250万円の更新料を支払い合意更新した。その後、平成10年に前地主が亡くなり妻が相続した。平成18年に現在の地主が売買により土地を取得した。西山さんも父親が平成16年に死亡し、本件建物所有権を相続により取得した。平成24年5月に期間満了を迎えたが地主は何も言ってこなく、地代は口座振り込みで支払っていた。
 今年3月、地主に代わり不動産業者から更新料請求の話があり、直ぐに組合に電話し、法定更新を主張するよう助言を受ける。3月末、突然振込口座を閉鎖され、組合から東京法務局に口座閉鎖で地代を供託するよう指示される。5月に地主代理人弁護士から平成4年の更新料未払いと契約書が作成されておらず、7日以内に指定口座への振込催告と更新料支払領収書の提示がない場合は土地賃貸借契約を解除する旨の内容証明郵便が届く。早速西山さんは組合顧問弁護士に相談し、契約書と領収書を提示した。顧問弁護士から領収書等が存在しても平成24年の更新料と地代の増額、土地(底地)買取り請求の可能性があり、地主と代理人弁護士は一癖も二癖もある人達なので対応を弁護士に委任した。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 7月14日(火)・15日(水)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。
 「定期総会」
 6月28日(日)午後1時30分から豊島区生活産業プラザ。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
 7月4日(土)午後1時30分から組合事務所。
 「借地借家問題市民セミナー」
 6月20日(土)午後1時30分から三鷹市公会堂。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■大田借組「理事会」
 6月12日(金)午後6時30分から大田区消費生活センター。連絡・(3735)8481。
■東借連「ブラック地主・家主110番」
 6月14日(日)午前10時から午後4時。電話・03(5956)2510。