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2015年5月15日 第578号

地上げ・底地買い被害の根絶を!
5月24日に被害者交流集会

地上げ・底地買い問題を議論する常任弁護団
地上げ・底地買い問題を議論する常任弁護団

被害者の実体験を共有し連帯
ブラック地主・家主 被害者対策弁護団設立

 「人からもの借りたら返さなあかんやんか。俺はそう思うで。うちのお父ちゃん、お母ちゃん、そう言うとったし。人からものを借りたらな、返すんや。お金なかったらな、返すんや。な、これ、誰の土地や」。これは実際に都内の借地人が地上げ屋から脅されたやり取りで、こうした脅しで借地人を恐怖に陥れる地上げ屋が今都内各地で暗躍している。
 5年後の東京オリンピックを前に、アベノミクスによる円安・低金利を背景に海外国内から不動産投資が活発になっている。今年の1月1日からの相続税の増税も借地の土地が地上げ屋に狙われる背景になっている。
 東借連では、「ブラック地主・ブラック家主被害対策弁護団」を立ち上げ、地上げ・底地買い被害の根絶に向けて、6月14日には「ブラック地主・ブラック家主110番」を実施し、地上げ・底地買い問題をマスコミにも発表し、社会問題として法規制を求める運動に発展させていく予定である。こうした運動を成功させるために、緊急に「地上げ・底地買い被害者交流集会」を以下の日程で開催し、被害者の実体験を聞き、被害の実態を共有し連帯する。各地の組合では、組合員の参加を呼びかけている。
●日時 5月24日(日) 午後1時30分~4時
●会場 主婦会館・プラザエフ3階コスモス(JR・地下鉄四ツ谷駅下車麹町口徒歩1分)

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底地が二度に渡り転売
江戸川区平井の榊さん

更新料払って値上げ認めたのに
地主が更新直後に不動産業者に売却

榊さんが居住する江戸川区平井6丁目附近
榊さんが居住する江戸川区平井6丁目附近

 総武線平井駅北口から徒歩10数分、江戸川と中川の両河川に挟まれた平井地域で、宅地約17坪を賃借する榊さん(仮名)は平成24年11月に20年の更新期限を迎えたが、更新請求はないまま10カ月が過ぎた。翌年の夏に地主は更新料と地代2500円の増額を請求してきた。榊さん夫婦は二人とも高齢の上年金生活で支払いの余裕はないと伝えると、更新料の支払いは分割でもよいが、暫く地代は値上げしていないと言われ、泣く泣く認めてしまう。更新料は交渉の結果、地主の請求を下回る金額で合意して支払う。しかし地主は合意更新して僅か数カ月後の9月に、こともあろうか底地を不動産業者に売却し、業者は「底地を買うか借地権を売るか」の交渉を要求してきた。しかも3か月後の11月には別の業者に転売。榊さんは賃貸借契約承継手続きを二度にわたり行う。3月に組合に入会し、組合の顧問弁護士に新規契約書、領収書、二通の契約承継通知書を預け、地主の借地人無視したやり方に法的措置は取れないか相談している。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 6月17日(水)・18日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。「定期総会」
 6月28日(日)午後1時30分から豊島区生活産業プラザ。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
 6月6日(土)午後1時30分から組合事務所。
 「第33回定期総会」
 5月31日(日)午後1時30分から国分寺労政会館。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。