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2015年1月15日 第574号

住み続ける権利を守ろう!
東借連会長 佐藤富美男

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年末の総選挙は、自民党が議席を減らす中で、自公政権としては衆議院の議席の3分の2を確保し、国会の中では多数を占めたという多くの報道がありました。しかし、獲得した議席の多くは小選挙区という民意が充分反映されない制度のおかげです。その中で、住まいは人権の立場で借地借家人組合とも協力共同してきた日本共産党が8議席から21議席へと大きく前進したことは、これからの運動にとって大いに励まされることです。
 安部首相は「2017年4月から消費税を10%増税しアベノミクスを推進させ、非正規は一生非正規・正社員は残業代ゼロなどの構造改革の断行、集団的自衛権の法制化・沖縄の辺野古移設」を進めると明言しています。このどれもが国民の多くが反対しているものばかりです。また、2020年の東京オリンピックと金融緩和の動きが土地への投資を増大させ、土地や建物の明渡し問題が増えています。今こそ住まいは人権の立場で、住み続ける権利をブラック地主・家主から守っていくことが大事になっています。借地借家人組合の出番です。
 今年の3月には東京借地借家人組合連合会の第34回定期総会が開催されます。単位組合と組合員の減少など組合にとって厳しい一面もありますが、組合は私たち土地や家を借りている者にとってその権利を守る砦として強く大きくしていきたいという一人一人の組合員の強い気持ちによって支えられています。3月の定期総会をめざして組合長を先頭に組合役員全員の協力で、組織的にも前進させる強い決意を述べて新年のご挨拶とさせていただきます。


安倍政権の改憲阻止を!
第10回東京自治研究集会が開催

東京自治研集会で講演する渡辺治氏
東京自治研集会で講演する渡辺治氏

 第10回東京自治研究集会は、12月7日午前9時30分から明治大学リバティタワーで開催された。自治研集会実行委員会には東借連も参加し、全体で60団体から300名以上が参加した。
 午前の全体集会では、東京自治労連の喜入肇書記長が基調報告を行い、一橋大学名誉教授の渡辺治氏が「安倍政権の改憲をはばみ憲法をいかす日本と東京を」とのテーマで記念講演を行い、安倍政権のめざす軍事大国化の狙いと改憲を阻止するための条件や可能性について報告した。
 午後から10の分科会に参加者は分かれ、第5分科会「住宅・防災」で基調報告とレポート報告が行われ、東借連の細谷事務局長が「東京の住宅・土地統計調査の特徴と民営借家の現状」について報告した。


アパートの明渡しで頑張ってる
渋谷区上原に住む川鍋さん

老朽・耐震性を理由に
立退き補償は僅か家賃2~3ヶ月分

渋谷区上原の商店街
渋谷区上原の商店街

 渋谷区上原に住む川鍋さん(仮名)は今年の9月に突然老朽化と耐震性を理由にアパートの賃貸借契約を解除する旨の通知を受け取った。その文書には「3ヶ月後の12月には退去するよう」記載されていた。おかしいと考え、インターネットで組合の存在を知って相談した。組合では解約の通知は6ヶ月前に通知しなければならない、その上で「正当な事由」がなければならないことなどを説明した。管理会社に通知すると平成28年の契約期間まで住み続けてかまわないが更新を拒絶するとの返答。また、本来は立退きの補償はしないが2~3ヶ月分の賃料を補償料として支払うと言ってきた。川鍋さん「これではとても引越しはできない。現在でも修理修繕をしていない個所もあるので、修理修繕をさせながら立退きの交渉をしていくつもりです」といって組合に入会した。