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2014年5月15日 第566号

住まいの貧困の解決を!

住まいの貧困に取り組むネットワーク設立5周年
住まいの貧困テーマに集会と映画
宇都宮健児弁護士が座談会で語る

住まいの貧困ネットワーク5周年の集い・映画祭
住まいの貧困ネットワーク5周年の集い・映画祭

 住まいの貧困に取り組むネットワークの「5周年の集い・映画祭」が4月27日午後1時半から新宿区・保育プラザで開催され、100名を超える参加者が集まった。
 初めに、住まいの貧困問題をテーマにした早川由美子監督の映画「乙女ハウス」・「ホームレスごっこ」、遠藤大輔監督の宮下公園の野宿者排除のドキュメンタリー映画「ジェントリフィケーション」以上が上映され、上映後それぞれの監督から制作意図が解説された。
 第2部は宇都宮健児弁護士(前日弁連会長)が参加して「住宅問題・住宅政策と貧困問題を語る」とのテーマでネットワークの世話人の坂庭国晴氏の司会で座談会が開催された。
 ネットワークの世話人の稲葉剛氏よりネットワーク設立してから5周年の歩みが報告された。座談会では、ホームレスの排除と東京五輪、生活保護バッシングに見られる市民感情、女性や若者の貧困問題、住まいの貧困の解決について両映画監督をまじえて活発な討論が行われた。宇都宮弁護士は「住まいは基本的人権」であると指摘し、住まいの貧困を放置しているのは行政の責任であると厳しく批判した。
 坂庭氏からは、5月に居住支援協議会の設立等で東京都に申入れを行うことが提案された。


6・14住まいは人権デー

住宅運動団体が集会とデモ行進

5年前の住まいは人権デー
5年前の住まいは人権デー

 今から18年前の1996年6月3日~14日、トルコのイスタンブールで第2回国連人間居住会議が開催され、世界171か国の政府代表団、NGOなどが参加し、活発な議論が交わされた。その結果、「居住の権利」を「基本的人権」として位置づけることが世界各国によって承認された。最終日の6月14日に「人間居住に関するイスタンブール宣言」と行動指針(アジェンダ)が採択され、「適切な住まいに住む権利」を「基本的人権」として捉え、各国政府が国際公約として確認した。
 残念ながら日本の政府は今日まで国際公約を守る意思がなく、「住まいは人権」とは程遠い住宅政策を取り続け、追い出し屋問題をはじめ若者が脱法ハウスなどに住まざるを得ない状況を放置している。
 住まい連と住まいの貧困に取り組むネットワークでは今年も6月14日を「住まいは人権デー」と決め、集会とデモ行進を行う。
 6月14日(土)午後1時半から渋谷区勤労福祉会館(渋谷駅徒歩8分)で開催。集会では、大泉英次追手門大学教授の記念講演「アベノミクスと住宅市場、住宅問題」(仮題)と各団体からのアピールと訴えが。集会後午後3時からデモ行進(パレード)を行う。


地代滞納で地主が催促書

2週間以内に払わなければ契約解除
現金書留で送金し内容証明
受取り拒否したら供託に
北区

 北区滝野川に借地している高木さんは、平成3年に更新料を支払って平成33年までの30年間の堅固な建物所有の借地契約を更新した。
 一階は自身のお店として営業をしてきたが、ここ数年売り上げが落ち込み、それを理由に地代の支払いが遅れることがあったが一、二ヶ月の遅れだった。
 地代は持参していたが地主から特別に遅れを指摘されることがないことをいいことにして、昨年の一月から支払いをしないままに一年半過ぎようとした今年の四月に地主から「遅滞している地代を二週間以内に支払いなさい。支払わない場合は明渡し請求の裁判を起こす」と内容証明書が送られてきた。あわてて知人に相談したところ地代を供託してしまえと言われた。しかし不安になって近所の組合員から組合を紹介されて相談に来た。
 組合では「(1)地主の所に滞納した地代を持参する。(2)受取りを拒否したら供託する。(3)居留守を使い支払うことができなかった場合は、現金書留と内容証明書を送ること」とのアドバイスを行った。案の定地主は居留守で出会うことができなかったので現金書留と内容証明書を送付し、受取りを拒否した段階で供託することにした。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 6月11日(水)・12日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談」
 6月7日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者は要予約。
 「憲法学習会」
 6月27日(金)午後6時30分から立川市子ども未来センター。講師大浦郁子弁護士。
連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から2時、組合事務所。連絡(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。
連絡・(3801)8697。
■大田借組「常任理事会」
 5月21日(水)午後6時30分から。
 「第2回理事会」
 6月17日(火)午後6時30分から。会場はいずれも消費者生活センター。
連絡・(3735)8481。
■城東借組「第4回定期総会と講演会」
 5月25日(日)午後2時から聖ヨハネ教会。宇都宮健児弁護士の講演「新しい東京、希望のまちへ―住宅とまちづくりを語る」。会費500円。連絡・(3837)7611。
■住まい連・住まいの貧困に取り組むネットワーク「住まいは人権デー」
 6月14日(土)午後1時30分から集会、3時からパレード。渋谷区勤労福祉会館。