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2013年9月15日 第558号

東借連2013年夏季研修会

初めての試みクイズ形式で研修会を開催
参加者が相談事例ABで回答
常任弁護団が正解と解説行なう

ボードを掲げて回答する研修会参加者
ボードを掲げて回答する研修会参加者
説明する東借連役員
説明する東借連役員
説明する西田弁護士(右)と長谷川弁護士
説明する西田弁護士(右)と長谷川弁護士

 東借連主催の夏季研修会が、8月31日豊島区東部区民事務所において開催され、全都から50名が参加した。細谷事務局長が司会を行い、今回の研修会のやり方を説明した。佐藤会長が開会の挨拶を行い「今回の研修会は新しい試みで行うので楽しんで知識を身に付けてほしい」と訴えた。
 研修会では、5つの相談事例に基づいて、東借連の役員がAとBの二つの回答を行い、研修会参加者がAかBの回答がどちらが正しいかをボードを上げて回答し、東借連の常任弁護団の西田穣弁護士と長谷川正太郎弁護士から正解の回答と解説を受けるというやり方で行われた。
 相談事例は(1)定期借家契約への切り替え、(2)賃貸マンションの家賃値下げと供託、(3)借家の耐震性を理由とした明渡し、(4)借地の更新料支払の特約に対する対応、(5)地主の相続が決まらない時の地代の支払い以上5つの相談事例についてクイズ形式で回答しながら、法律知識を学習した。とくに更新料問題では活発な質疑応答が行われ、法定更新と合意更新の違いなど弁護団から分かり易い解説と説明がされた。参加者のアンケートでは、内容がよく理解できたという回答が多かった。


住宅政策の転換を!

脱法ハウス問題の解明でシンポ

脱法ハウス問題のシンポジウム(8月22日新宿区内)
脱法ハウス問題のシンポジウム(8月22日新宿区内)

 脱法ハウス問題の解明と解決に向けてシンポジウムが8月22日新宿区内で開催され、約100名が参加した。主催は住まいの貧困に取り組むネットワーク、国民の住まいを守る全国連絡会、首都圏追い出し屋対策会議の3団体。
 シンポジウムは5人の識者の報告とハウス入居者が発言。NPO法人もやいの代表理事の稲葉剛氏は、「脱法ハウス増殖の背景と全体像」について報告し、「家賃の高さや初期費用や保証人の確保などがワーキングプアにとって賃貸住宅を借りるために大きなハードルになっている」と指摘した。
 住まい連代表幹事の坂庭国晴氏は「脱法ハウスの実態と住宅問題の真相」と題して同ハウスの第3次調査結果について報告し、東京23区と同市10市に401物件あり、運営会社は94社に及ぶことを明らかにし、「我が国の住宅政策は、家族や持家が最重点にされ、単身世帯や借家政策は全くの軽視と不在にあり、脱法ハウスは起こるべきして起こった問題である」と住宅政策の転換の必要性を強調した。
 首都圏追い出し屋対策会議の林弁護士は、ハウス入居者の多くが法知識がないために非常に不利益な契約書を結ばされていると指摘。入居者の33歳の女性は「生活が苦しく劣悪なところに住まざるを得ない人たちを支援する施策を考えてほしい」と訴えていた。


明渡しで頑張ってる

杉並区高井戸に住む大山さん
競売で買った地主が
契約の更新拒絶で土地明渡し請求

 杉並区高井戸に住む大山さん(仮名)は平成5年に前地主との20年の更新契約を締結し、住んでいたところ、平成15年にAが競売で買い取った。買い取ったAは隣の敷地に住みはじめた。
 今年の2月に「8月末日をもって契約期間が満了するが更新を拒絶し、明渡すよう請求する」という内容証明が送られてきた。びっくりした大山さんはインターネットで検索し、西武百貨店で無料の相談会があることを知って相談に来た。相談会での相談後、組合事務所に来室し組合に入会した。大山さんの16坪の借地の隣に同じく16坪の土地に地主が住んでいて、高齢なので子供と一緒に住みたいが家が狭いので住めないから自己使用で正当事由があるから出て行けというものであった。あまりにも身勝手な主張にあきれたが、更新拒絶に対して「建物が存在するので更新します」と通知した。8月に入り、地主の代理人の弁護士から「自己使用には正当性がある」という主張をする一方で、賃料の増額と更新料の請求が内容証明書で送られてきた。
 大山さん「本当にひどい通知だ。負けずに頑張る」と語った。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
  10月16日(水)・17日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで西武デパート7階。連絡・(3982)7654。
■葛飾借組「定例相談」
  毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
  毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
  毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
  「法律相談」
  毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
  毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。連絡・(3908)7270。
■多摩借組「定例法律相談会」
  10月5日(土)午後1時半から組合事務所。相談者要予約。
  「秋の親睦旅行」
  10月26日(土)・27日(日)の1泊2日鬼怒川温泉・ホテル沢風。連絡・042(526)1094。
■大田借組「借地借家問題講座・相談会」
  10月18日(金)大田区文化の森、10月25日(金)大田区消費生活センター。時間はいずれも午後6時30分から。
  「秋の旅行会」
  11月10日(日)・11日(月)の1泊2日。福島県スパリゾート・ハワイアンズ。福島県の被災地の視察他。連絡・(3735)8481。