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2013年7月15日 第556号

民間賃貸住宅のトラブル解消で 全借連が国土交通省交渉

宅建業者の威圧強要は違法
不当な特約も「契約自由」を強調

国土交通省に要請行動(6月3日・衆院第2議員会館)
国土交通省に要請行動(6月3日・衆院第2議員会館)

 全借連は、6月3日午後2時30分から衆議院第2議員会館の会議室で国土交通省に対して「民間賃貸住宅等のトラブル解消について」、「民間賃貸住宅居住者への家賃補助の創設」の2つの要請を行い、約1時間にわたって懇談した。当日は、東借連の役員8名を含む12名が参加した。
 民間賃貸住宅のトラブル解消では、(1)追い出し屋規制法の制定、(2)原状回復のガイドライン問題(3)更新料など一時金の廃止、(4)定期借家制度の廃止、(5)悪質な宅建業者の規制以上5項目について要請した。
 国交省の回答は、(1)相談は減少傾向になり、状況を見守る。(2)民間賃貸住宅で特約を設けることは契約の自由。原状回復の内容について十分に理解して契約を。(3)一時金は慣行として認められている。(4)定期借家契約は家賃も安く賃借人にメリットが。(5)宅建業者は契約の締結に当り、威圧強要は業法違反に当たる。管理業者は任意の登録制で規制する。また、家賃補助制度については、財政や事務処理負担の増大等を理由に国としての導入は消極的だった。

家賃補助署名を提出する全借連・東借連役員(署名を受取る井上さとし参院議員)
家賃補助署名を提出する全借連・東借連役員(署名を受取る井上さとし参院議員)

家賃補助創設で国会へ請願

署名7千人分提出

 全借連は、6月3日に民間賃貸住宅居住者への家賃補助創設を求める請願署名7000人分を国会に提出した。
 全借連の田中会長は「ヨーロッパでは普通の家賃補助制度を日本でも実現させたい」と訴え、署名を受け取った日本共産党の井上さとし参院議員は「実現に向けて頑張ります」と答えた。


明け渡しで頑張ってる 大田区大森東の中華料理店

建物の耐震性が理由
明渡しを拒否すると調停裁判に

相川さんの店舗が面しているバス通り
相川さんの店舗が面しているバス通り

 大田区大森東地域に所在する木造瓦葺二階建店舗兼共同住宅の内階下、正面右側面積約29・75平方メートルの部分を賃借中の相川さん(仮名)は中華料理店を営んでいる。華やかな商店街ではないが、バス停に隣接していることや出前の注文も多く、将来性もある。店舗の主の相川さんが知人の紹介で組合事務所を訪ねて入会したのは昨年11月。家主の代理人と称す業者が訪れて、建物が耐震に問題があって建替えが必要と明渡しを求めてきた。家主は2階の共同住宅部分を補修して入居させたばかりで、驚いての相談だった。
 今後の生活や自宅の住宅ローンの返済を考えて明渡しを拒否するが、執拗な業者の訪問に対し相川さんは組合を介して対処する旨を通告した。
 業者は組合事務所を数回訪ねたが、予測のできない地震は、正当な明渡しの理由はなり得ないと伝える。
 来年の消費税増額に伴う建替え経費の増加を業者から吹き込まれたのか、家主は明渡しを諦めずこの程弁護士を代理人に立て調停裁判を申し立ててきた。相川さんは明渡しの拒否を伝えるが、調停委員の丁寧な要望に応じて協議を重ねる。明渡しを前提とした調停であるため、次回(三回目)の調停で不調を通告することにしている。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 8月21日(水)・22日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで西武デパート7階。連絡・(3982)7654。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。
 「定例役員会」
 同日午後2時から組合事務所で。終了後暑気払い。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。連絡・(3908)7270。
■多摩借組「定例法律相談会」
 9月14日(土)午後1時半から組合事務所。相談者要予約。
 「学習・交流会」
 7月27日(土)午後1時30分から武蔵野公会堂。連絡・042(526)1094。
■東借連「2013年夏季研修会」
 8月31日(土)午後1時半、豊島区東部区民事務所。テーマ「相談事例の実践的な解決法」。解説は東借連常任弁護団・ 西田穣弁護士。連絡・(3982)7277。