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2013年4月15日 第553号

定期借家制度に反対しよう!

全借連など4団体が全国交流集会
正当事由の見直しに警戒を
定借は地域コミュニティーを破壊

全国交流集会で挨拶する田中祥晃全借連会長
全国交流集会で挨拶する田中祥晃全借連会長

 定期借家制度に反対し、公共・民間賃貸住宅を守る全国交流集会が、3月16日午後1時30分からUR王子5丁目団地集会所において65名の参加で開催された。
 借地借家法改悪反対全国連絡会を代表して全借連の田中祥晃会長が開会の挨拶を行った。
 自由法曹団の西田穣弁護士より「定期借家制度をめぐる現状と今日的な課題」と題して基調講演が行われた。西田弁護士は「定期借家制度が創設され13年が経過したが、賃貸住宅市場では借家の供給過剰状態にあるために制度が積極的に利用されていない。定期借家制度の実態調査でも、再契約したケースが72%あり、単なる賃貸人に選択権を与える正当事由回避の制度でしかない」等の問題点を指摘した。

基調講演する西田穣弁護士
基調講演する西田穣弁護士

 また、規制改革会議などの検討課題になっている正当事由制度の見直し問題では、建物が古いだけで老朽化や耐震性の不足が建物明渡しの正当事由にされる危険があり、この問題に対して十分に注意する必要があることが強調された。
 各団体からの報告では、全大阪借地借家人組合連合会の河嶋会長が大阪府の府営住宅削減問題と橋下改革・大阪都構想の危険性と問題点を発言した。全国公営住宅協議会の天野事務局次長は、東京都や大阪府が10年の期間限定で40歳以下のファミリー世帯を対象に導入している定期使用住宅の問題点について発言した。この他、東京都公社住宅自治会協議会の新出副会長、全国公団住宅自治会協議会の多和田代表幹事より、公社や公団(UR)住宅では、団地再生等を理由に空き家募集で活用されている実態が報告された。
 質疑応答が行われ、「定期借家制度で入居した住民は入居期間が限定され、自治会にも入ってくれない。地域コミュニティを破壊するもので、自治会の存続を困難にさせる」との発言があった。


13年度予算要求で都と交渉

東京住宅連

 東京住宅運動連絡会は、3月12日午後1時30分から都庁第2庁舎において、2013年度東京都予算等に関する要求書の回答と交渉が行われた。4団体から5名の代表が参加し、東借連から細谷事務局長が参加した。
 回答に対する再質問では不動産会社のミニミニが敷金・礼金ゼロ物件で入居時に賃借人に対して賃貸マンションの自然損耗・経年変化の内装工事費用の3割分の修理費用を「内装工事費負担金」として徴収している問題を指摘し、不動産業者の作成する不当な契約の横行を調査し、適切な指導を行うよう要求した。
 都市整備局は個別の問題については、当事者から相談があれば適切な指導を行うと回答。また、都営住宅の定期使用住宅の期間満了で住宅に困窮している入居者に対しては「他の都営住宅を斡旋している」と回答した。


建物明渡しで合意解約

大田区大森西に住む山内さん
老朽化で地震の影響大
家主の建替えの要請に協力

 大田区大森西地域で40年余、賃借中の木造瓦葺2階建1棟1戸建の内、階下約13坪の店舗兼居宅を先日明渡した。当日現地で借主の山内さんも家主も笑顔で残金の精算に立ち会った。
 永い年月の中には、貸主とのトラブルも2、3度は生じたという。平成4年には大雪と地震で壁の一部が欠落し、補修を求めたが家主は応じず、借主が行なうも家主代理人弁護士より、工事中止の書面が送付されたが最小限の工事を実行する。また、同18年には家賃の増額と更新料の請求を受けて、永年据え置いてきたことや、近隣の家賃等と比較して8割増額でも家主は応じず、供託することになった。しかし、家賃の供託は長期にならず短期間で持参払いなった。時の流れは家主側に変化が生じて、息子らが相続することとなった。
 長期の遺産相続の協議も整え、同一建物の2階に住む新たな家主との関係は友好なものとなった。東日本大震災の老朽化の建物への影響は大きく、昨年夏頃家主より建替えたいとの打診があり、後日工事を依頼された建築業者との協議となった。山内さんは自分も高齢であり、この建物では地震は怖いと明渡しに応じることにした。協議は順調に進み、補償金に明渡猶予期間(6カ月)の家賃の支払免除、処理に経費の係る残置物の処理は家主の責任で行なうとの内容で合意した。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
  5月14日(火)・15日(水)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで西武デパート7階。連絡・(3982)7654。
■葛飾借組「定例相談」
  毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
  毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
  毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
  「法律相談」
  毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
  毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。相談者は要予約。連絡・(3908)7270。
■多摩借組「定例法律相談会」
  5月11日(土)午後1時半から組合事務所。相談者要予約。 「第32回定期総会」
  5月19日(日)午後1時半開会、国分寺労政会館(JR・西武線国分寺駅北口徒歩6分。連絡・042(526)1094。
■大田借組「借地借家問題講座・相談会」
  4月19日(金)午後6時半から大田区文化の森。4月26日(金)午後6時半から大田区消費者生活センター。連絡・(3735)8481。