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2011年8月15日 第533号

罹災と借地借家問題を学習

東借連・全借連共催で夏季研修会開催
罹災法を実効性ある制度に
阪神・淡路大震災の相談活動の経験報告

東借連2011年夏季研修会(7月23日ラパスホール)
東借連2011年夏季研修会(7月23日ラパスホール)

 東借連は、夏季研修会を全借連と共催で7月23日午後1時半から豊島区のラパスホール会議室で37名の参加で開催した。今年は東日本大震災を受けて、首都圏や全国各地で大規模な地震などによる建物の倒壊などの問題に備えて「大震災と借地借家問題」というテーマで行なった。研修会は、佐藤富美男会長(全借連副会長)が司会を行い、冒頭河岸清吉全借連会長が開会の挨拶を行なった。
 はじめに、尼崎借地借家人組合の田中祥晃組合長より「阪神・淡路大震災での借地借家相談活動について」とテーマで報告がされた。阪神・淡路大震災当時、尼崎市の市民の26%が老朽化した木造借家に住んでいて被災を受け、マンションへの建替え等を理由に明渡し相談が激増した。大震災直後に全借連の支援を受け、「震災被災借地借家人の会」を立上げ、被災した借地借家人の権利を守るためのリーフレット2万部を作成し宣伝し、活発な相談会活動を行った。無料会員が3ヶ月で2千人入会し、その後の尼崎借地借家人組合の母体となった。当時の地上げ屋との交渉や立退き問題の調停裁判の様子などがリアルに報告された。

左から田中組合長と西田弁護士
左から田中組合長と西田弁護士

 次に、東借連常任弁護団の西田穣弁護士より「罹災と借地借家問題」と題して、罹災都市借地借家臨時処理法(罹災法)について、罹災法の権利内容として(1)罹災借家人の敷地優先賃借権、(2)罹災借家人の借地優先譲受権、(3)罹災借家人の建物優先賃借権以上について解説され、罹災借家人に特別な私法上の権利を付与しているのが罹災法の特徴であると指摘された。これらの権利について、日本弁護士連合会は改正を求める意見書を出しているために、政府も東日本大震災の被災地に適用する政令による指定が見送られている。罹災法がなぜ適用すると問題になるのか等について同法の問題点が明らかにされ、西田弁護士は罹災法について実効性のある制度にするために「建物を震災で失った借地人が簡易に借地権譲渡を可能とする規定の創設、借家人に対し優先賃借権を中心とする救済制度の再構築、家賃補助制度の創設が必要である」と強調した。

最高裁判決を受け更新料の対応学習

 西田弁護士は余談として、更新料・敷引契約をめぐる最高裁判決について報告。更新料をめぐる訴訟としてA更新料支払請求事件、B建物退去もしくは建物収居土地明渡請求事件(更新料不払による債務不履行)による賃貸借契約の解除、C支払済み更新料の不当利得返還請求事件について3つの類型毎に今後の対応について報告した。借家契約で更新料条項が明確で、1ヶ月~1・5ヶ月の条項で無効を争うのは困難であり、今後「更新料条項のない家屋を賃借する」といった運動を作っていく必要があるのではと問題提起した。討論の最後に、更新料の学習会を秋に開催することを確認した。


借地で更新で頑張ってる

中野区沼袋の山形さん
更新料の支払特約NO
更新料請求の法的根拠問う

山形さんが借地をしている中野区沼袋附近
山形さんが借地をしている中野区沼袋附近

 中野区沼袋の駅から5分のところで借地している山形さん(仮名)は20年前の更新の時に、古くなった家の建替えを検討し、家の建て替えを地主と交渉し、2年以内に建て替えをすることに合意し、建替え承諾料を支払って、合意更新をした。
 20年が経過し、地主の代理人の不動産会社から、20年前と同じ更新料だといって更新するなら更新料を支払えと通知してきた。以前から借地借家人組合を知っていた山形さんは、城北借組が毎月行っている西武百貨店の無料の相談会に来て相談した。
 契約書を相談員に見てもらったところ、契約書には更新料支払う特別な約束がないことなどから更新料の支払い義務が存在しないことを指摘した。同時に、地主側が今回、更新料と併せて提案してきた契約書案の問題点は、「契約更新として(1)期間満了時に更新を希望するときは、更新料を支払ったうえ、更新契約を締結することができる。(2)更新料の金額は時価相当の7割を借地権価格としてその10%相当額を更新料の基準額として協議の上定める。(3)更新契約が締結されなかったときは、本契約と同一条件で更に更新されるものとするという更新料支払い特約が記載されており、絶対に認められない契約書であると説明した。
 山形さんは地主宛に「更新料について(1)支払い特約がない場合、最高裁判決で明らかなように支払義務がないが更新料を請求をする法的根拠を示せ。(2)具体的な金額についてもその根拠を示せ。(3)このような契約書案を提示したが借地人にとってプラスになることがあるのか以上三点について回答を求めた。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「バスツアー」
 9月4日(日)・5日(月)の1泊2日下部温泉。会費2万3千円。
 「西武デパート相談会」
 9月14日(水)・15日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。
 「法律相談」
 9月16日(金)午後2時から組合事務所。連絡・(3982)7654。
■江東借組「法律相談」
 毎月第2水曜日午後6時から大島総合区民センター。連絡・(3640)4694。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から2時、組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。相談者は要予約。連絡・(3908)7270。
■世田谷借組「相談会」
 毎月第1土曜日午後2時~7時まで組合事務所。連絡・(3428)0828。
■大田借組「借地借家問題講座&相談会」
 10月14日(金)午後6時半から大田文化の森、10月28日(金)午後6時半から大田消費者生活センター。連絡・(3735)8481まで。
■多摩借組「定例法律相談」
 9月10日(土)午後1時30分から組合事務所。
 「借地借家問題セミナー」
 9月17日(土)午後1時30分から小平市西町公民館。連絡・042(526)1094。