2026年7月15日 第669号
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| 東借連2026年春季研修会(豊島区あうるすぽっと) |
東借連「春季研修会」が5月16日午後1時半から豊島区あうるすぽっと会議室で21名の参加で開催された。
東借連の細谷紫朗会長が開会挨拶を行い、講師の常任弁護団の結城祐弁護士より、本日の春季研修会の目的について(1)借地借家法の正当事由の説明、(2)令和7年3月に商事法務研究会が作成した「借地借家法の更新拒絶等要件に関する調査研究報告書」の勉強会であることが説明された。
結城弁護士は、存続期間の定めがある借家契約を終了させるためには、期間満了の1年前から6カ月前までに、賃貸人は借家人に更新しない旨の通知をしなければならない(借地借家法26条1項)。但し、これらの通通知には正当事由が具備されていなければならない(借地借家法28条)。なお、これらの通知をした場合でも、存続期間満了後も借家人が建物の使用を継続する場合には、賃貸人はさらに異議を述べなければいけない(借地借家法28条2項)。以上のように賃貸人は二重の異議を述べた上で、さらに正当事由が備わっていない場合には借家契約は期間の定めのない契約として従前の契約と同一条件で法定更新されると説明した。
正当事由の建物の使用の必要性
正当事由の判断基準として、借地借家法28条は、「賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情」のほか、建物に関する従前の経過、建物利用状況、建物の現況、財産上給付の申し出を総合的に判断するとしている。正当事由の判断においては当時者双方の建物の使用を必要とする事情が基本的判断要素であり、他の事情は付随的な判断要素である。
次に、「建物の使用を必要とする事情」について当事者の居住の必要性、当事者双方に居住の必要性に差がない場合、営業の必要性、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況もついて裁判判例を参考に分析。そこで、賃貸人の居住の必要性が賃借人の必要性をかなり上回っている場合には正当事由が認められやすい。
借家人の建物使用の必要性がかなり高い場合には、立退料の提供を賃貸人が申し出ても正当事由が認められないことがあると指摘した。
最近、当該貸家を建て替えて土地の有効利用を図りたいという事由が増えている。例えば高層建物に建替えるということは正当事由が認められることはほとんどなく、かなり高額の立退料の提供があって認められていると指摘。また建物現況について、建物が経年劣化しており、耐震及び防火上、危険な建物で数年後に朽廃に至ると認められるときは、立退料の提供によって正当事由が具備される(東京地裁平成20年2月27日判決)。
更新拒絶の裁判判例を分析
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| 講演する結城弁護士 |
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| 東京地方裁判所中目黒庁舎 |
家賃債務保証会社の全保連は、賃借人と締結する賃貸借保証委託契約書に賃料支払い約定日(前月27日)を過ぎても賃料等の入金がなされない場合に、保証会社が賃借人に代わって賃貸人に立て替え払い(代位弁済)をすると、保証会社は賃借人に対して代位弁済した賃料を請求する(求償権の行使)を行う。全保連は同契約書の中に「代位弁済1回につき保証事務手数料2700円及び別途消費税を請求する」との条項を締結し、家賃を1日でも滞納すると2970円(消費税込み)を請求している。
適格消費者団体・消費者機構日本では、全保連に対して保証事務手数料は消費者契約法9条の延滞損害金年14・6%をはるかに超える延滞利息であり、同法10条の消費者に一方的に不利益条項に当たると契約条項の差止を求め、東京地裁に提訴し、裁判は継続中である。同消費者団体より賃借人ユニオン本部に裁判傍聴の連絡があり、6月11日午後、東京地裁中目黒庁舎でユニオン役員と組合員が裁判を傍聴した。裁判後に、消費者機構日本の弁護士と保証会社に対する運動について有意義な交流を行った。