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最近の賃料増額請求裁判では高額な鑑定結果が出るため注意が必要だ

 7月1日、今年の相続税路線価を発表されました。全国の標準宅地の平均上昇率は、2・9%ですが、東京の平均は、全国平均の3倍を超え、9・4%だそうです。全国も東京も5年連続の上昇になりますが、東京は、2022年が1・1%、2023年が3・2%、2024年が5・3%、2025年が8・1%と急激に上昇しており、平均を単純計算するだけでも、この5年間で30%値上がりしたことになります。このように地価が上昇していることに伴い、家賃や地代の増額請求が目立つようになり、訴訟に発展するケースも増えてきた印象があります。

 今回、ご紹介するのは、私が担当した、地代増額の判決です(東京地方裁判所令和6年6月10日判決、大家側からの異議申立てはなく、確定しています。)。この判決では、世田谷区内の借地について、地主が、前回の更新のときに決めた地代を、20年後の更新の時期に、133%増額の請求したところ、裁判所は、鑑定を実施し、鑑定では、40%増額を認められ、その鑑定のとおりに判決が出ました。私が担当した地代増額訴訟では、もっとも増額したのが、51%増額で、40%増額は、それに次ぐ悪い結果でした。

 もっとも、今年の春、豊島区内の借地について、地主が、やはり更新の時期に20年ぶりに地代改定を求め、60%増額の請求をし、訴訟になったケースを担当しました。このケースでも裁判所で鑑定が実施され、鑑定では、43%増額の結果でした。残念なことに、歴代2位が更新されました。泣く泣く鑑定どおりの結果で和解しましたが、最近の地価の上昇の影響だと感じ、皆さんに注意喚起をすべきだと思い、この原稿を書いています。

 本来的には、よい結果の判決を紹介したいのですが、そればかりではなく、こういう時期ですから、現実を踏まえた、借地借家人にとっては、厳しい内容の判決や鑑定結果も紹介しないといけないと思います。現実を踏まえた上で、正しい解決の検討があるからです。

 東借連としては、役員や常任弁護団で定期的に会議を開き、賃料増額の厳しい局面で何ができるかの検討を続けています。厳しい現実もありますが、だからこそ、増額請求を受けたら、一人で悩まず、是非、組合にご相談ください。

(弁護士 種田和敏)