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2026年10月15日 第703号


世界で広がる借家人組合運動
家賃の高騰や強制明渡しストップ!
スペイン 家賃高騰で高齢者立退き
抗議運動で政府が強制明渡し禁止


 今、世界中の大都市で再開発と家賃の高騰・立退き問題が発生し、住宅弱者が住まいを追われ、その跡地に高所得者層が移り住み住民構成や街並みが高級化するジェントリフィケーションが起きています。不動産の金融商品化が進む一方で、反ジェントリフィケーション、反立ち退き、反家賃の値上げの運動がヨーロッパ・アメリカで盛り上がり、借家人が団結しユニオンを結成し、「住まいは人権」、「住宅正義」をスローガンに運動が大きく発展し、政治にも大きな影響力を与えています。

家賃高騰で年金生活者強制
立退きに抗議

 スペインの首都マドリードで暮らす年金生活者のマリアデルカルメン・アバスカルさんは、不動産投資管理企業にアパートが買い占められ、家賃の5倍超の値上げを請求され、年金受給額をはるかに超える家賃請求で約8年の裁判闘争が行われましたが、最高裁は企業側の主張を認め、9月23日カルメンさんは強制退去させられました。
 9月23日〜24日には首都マドリードで労働組合や借家人組合、市民ら約1万人が抗議デモ行い、強制追い出しを行った不動産会社や政府に抗議する運動が広がると、スペイン政府はついに強制明渡しを禁止し、家賃を支払っていれば契約の更新を認める条例を提出しました。

ベルリン家賃
10年で2倍に

ドイツの国会議員と懇談する組合役員(右側)

 ドイツでは家賃の高騰はかねてから問題となっていて、2019年に訪日したドイツの超党派の国会議員と全借連と家賃問題で懇談したことがあります。ベルリンでは人口の85%が賃貸住宅暮らしですが、手頃な価格の物件が不足し、家主による法外な家賃請求や強制立ち退きが市民を苦しめています。ベルリンでは、かつて市が公営住宅を民営化し民間に安く払い下げ、大手不動産は市民の税金で建てた住宅を改修して高級マンションとして売り出し大きな利益を上げました。市民団体によると、ベルリンの家賃は10年間に2倍に高騰しているといいます。
 9月20日に行われたベルリンの市議会議員選挙では、大手不動産企業が保有する住宅の公有化を選挙の公約に掲げた左翼党が躍進し、違法な家賃引き上げや暴利を取り締まる「借家人保護局」の設置、10年間に7万5千戸の公営住宅の新規建設を要求しています。

家賃を凍結した
マムダニ市長

 米国・ニューヨークは常に転入者が多く、住宅不足で家賃が高騰しています。今年1月の市長選挙で当選した民主社会主義者のマムダニ市長は真っ先に家賃の凍結を実施し、新設を含む計40万戸の「手頃な住宅」を確保する計画を発表。住宅の安全・衛生基準を守らない悪質家主への取り締まりを強化する。建物全体を一斉に点検する制度の導入も進め、ホームレス向け住宅の供給拡大の取組みを強めています。
 マムダニ市長の取り組みの基盤には、「以前より家賃の規制・安定化に関する議論でキャンペーンを行ってきたテナント・ユニオンの活動があります」とアメリカのテナント・ユニオンの活動に詳しい栗原真史氏(同志社大学特別研究員A)が解説しています。
 栗原氏は、テナント・ユニオンの活動について、様々な借家問題を「一人では変えることが難しい制約された生活状況を借家人の集合的な力によって変えていくことが、テナント・ユニオンの活動の核になっています」(「米国とスペインのテナント・ユニオン−−借家人のつながりが生み出す力」学習の友26年6月号)で説明しています。これらの活動に学び活かしていきましょう。

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