全国借地借家人組合連合会 国民の住む権利を守る強い組織
文字の大きさ 文字を小さく 文字を標準に 文字を大きく
全借連紹介
会からのお知らせ
全借連新聞から
役立つ裁判事例
各地の借地借家人組合
リンク集
事務所地図
〒160-0022東京都新宿区新宿1-5-5 御苑フラトー401号 TEL03-3352-0448 FAX03-3356-4928
インデックスへ トップページへ
全借連新聞から

2026年8月15日 第701号


原状回復トラブル解決の指針
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
通常損耗と経年変化は賃借人の負担義務なし


 賃貸住宅の退去後の原状回復をめぐるトラブルは、1990年代から発生し、国交省は1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドラン」作成し、その後も2回改定されています。しかし、原状回復をめぐるトラブルは増え続け、最近でも数十万円から数百万円の請求受けた賃借人から借地借家人組合に相談が寄せられています。

 原状回復トラブルガイドラインの再改定版(2010年)では、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失・善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。
 2020年4月1日施行の民法621条では、この定義に基づき、通常の使用によって生じた賃借物の損耗、賃借物の経年変化については、賃借人の原状回復の義務はないと初めて原状回復を民法に規定しました。

民法上の原状回復義務と特約

 原状回復トラブルについては二つの次元があり、(1)民法上の原状回復義務とは、賃借人が故意・過失・善管注意義務違反をした毀損部分の原則最少単位で損害賠償責任を負うとことになります。(2)特約に基づく請求とは、民法上の義務を超える責任を賃借人に課す合意がある場合で、例えば「次の各項については入居期間を問わず、またその損耗が経年変化・自然損耗にあたる場合でも賃借人が費用を全額負担するものとします」を賃借人が特約に合意している場合に、消費者契約法や民法90条違反の暴利的な特約に当たる可能性があります。
 特約については最高裁平成17年12月16日の判決や消費者契約法9条や同法10条の規定に反することはできないため、かなり限定的になります。ガイドラインでは最高裁判決に基づき特約が有効となる場合には3つの要件が必要となります。(1)特約の必要性があり、かつ暴利的でないなどの客観的、合理的理由がある。(2)通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識している。(3)賃借人が特約による義務負担の意思表示をしてぃること。

賃借人の負担と経過年数の導入

 最高裁判決では経年変化を通常損耗は「賃料」として支払っている部分であり、図1の故意過失・善管注意違反すると賃借人の負担となります。ガイドラインでは図2のように賃借人が負担する場合についても、建物や設備等の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させる経過年数の考え方を導入しています。経過年数による原価割合については、法人税法や原価資産の耐用年数等に関する省令を参考にクロスですと経過年数6年で1円になります。図3は主な設備の耐用年数です。賃借人の負担単価はガイドラインを参照して下さい。

 

ページのトップへ
Copyright(c)2009全国借地借家人組合連合会All right reserved.