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2023年6月15日 第664号


家賃債務保証業の法規制を
全借連の実態調査を基に国会で初の質疑
人権侵害の家賃取立が
業者の自主ルール任せは無責任

 家賃債務保証業は、連帯保証人を立てられないためにアパートが借りられない賃借人のために家賃債務保証業者が賃借人の委託を受けて賃借人の家賃債務を保証し、賃借人の住まいの安定を図ることを目的に2017年12月に登録制度が始まりました。5年が経過しても、家賃債務保証業者による様々なトラブルが起き、人権侵害の不当な家賃の取り立て行為や賃貸住宅の追い出し行為が起きています。昨年12月には登録業者のフォーシーズの契約書が最高裁によって賃借人の利益を一方的に侵害しているとし、消費者団体の契約条項の差止請求が認められました。全借連では各政党に家賃債務保証業の法規制を求め要請行動を行い、国会の中で初めて家賃債務保証業者問題の質疑が行われました。

田村智子参議院議員

 国会質疑は、参議院の国土交通委員会で3月17日に日本共産党の田村智子参議院議員、4月24日に衆議院の同委員会で大石あきこ衆議院議員が行いました。
 田村議員の質疑では最高裁判決で否定された違法な追い出し条項の排除について国の対応を聞いたところ、斉藤国交大臣は「現在、業界団体を通じてフォーシーズ以外の業者に対して見直し方針などについて調査している。使用している場合には是正を促していく」と答弁しました。大石議員にも同様な答弁があり、調査結果について引き続き追及が必要です。
 田村議員は、全借連が昨年11月に実施した「家賃保証業者実態調査」を参考に、家賃保証業は人権侵害の取立てが深刻な事態を招きかねない、家賃の求償として借金の取り立てをする事業者に貸金業と同様な法規制が必要であり、登録が義務づけられていない(任意の登録制)問題点を指摘しました。斎藤大臣は「家賃債務保証業者登録制度では、貸金業法で規制されているような取り立て行為を禁じる内部規則が設けられていることを登録要件としている。消費者から寄せられた相談事例を踏まえ、指導等を行っていく」と、あくまでも登録事業者の内部規則(自主ルール)を尊重し、法規制に消極的な姿勢であることが明らかになりました。

大石あき子衆議院議員

 大石議員は全借連の実態調査を引用し、連帯保証人を立てているのに家賃保証業者と契約をさせるダブル保証の問題を取り上げ、「連帯保証人か家賃保証業者がどちらか1つを選択できるようにするべきでは」と質問しました。全借連の調査でも約半分がダブル保証を押し付けられています。斎藤大臣は「賃借人に連帯保証人を求める場合、国交省の調査ではそういう住居はほとんど見られない」と実態に反する答弁を行いました。
 なお、賃借人が認めていない原状回復費用の請求について、斉藤大臣は「原状回復の内容や費用は、賃貸人と賃借人の間で協議し、合意することによって確定するものであり、このような手続きを経ることなく、保証業者が賃貸人の要求額を代位弁済し一方的に賃借人に求償することは適当ではない」と答弁しました。

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